30分が鮮度の生命線。「ひうち媛いりこ」の漁から加工まで
漁の最大の特徴は、漁から加工までを網元が一貫して生産し、いりこの鮮度を守っているところにあります。
かたくちいわしの漁はパッチ網漁と言われる漁法で、通常4艘の船団を組んで行われます。
魚群探知機を搭載した船と「網船」と呼ばれる網をひく船、魚を港へ運ぶ船とに役割が分かれており、
魚群が見つかったら、2艘の網船が長大な網を曳いて魚群を囲い込みます。
いわしに傷をつけず、ストレスをかけないよう熟練の技を駆使して、網の先端口を絞っていきます。
「網船」の傍では運搬船が待機しています。
水揚げされたいわしは、海水と氷を満たした運搬船の水槽に入れられ、高速で帰港します。
港に着くと、フィッシュポンプで加工場へ直送。加工場は港に隣接しています。
船からフィッシュポンプで次々と送られてくるいわしを洗浄・選別し、せいろに並べていきます。
水揚げからここまでわずか30分。
せいろに並べられたいわしは、塩が加えられた湯で3分ほど茹でます。いわしの旨味を逃さない塩分濃度です。
その後乾燥庫へ運ばれ、10時間から20時間かけて乾燥させ、翌日に出荷されます。